福岡のデザイン事務所 | エスグラフィックス

[コラム]“愛されるブランド”を育むデザインの話
vol.2 感情を動かすコミュニケーション
車イメージ
vol.1で「ブランド」と「価値イメージ」について少し述べましたが、
それについて少しかみくだいて考えてみたいと思います。

■ 小さくなった機能の差と、溢れる情報。
ちょっと極端な例をあげてみましょう。
人気のミュージシャンは、ライブで「イエー」と叫べば、多くのファンが同調して「イエー」と叫び返してくれます。
会場でグッズを売れば、販促活動なんかしなくても飛ぶように売れていきます。

ところで、「商品は機能やサービスが命なんだ」と言う人がいます。

でも「機能でものが売れる時代は終わった」と言う人もいます。
走らない車はないし、冷えない冷蔵庫もない。
ましてや現代は、個人が様々な情報を発信するインターネットの時代。
機能のレベルは拮抗し、溢れる情報の中に埋もれてしまう、だから“そこ”でものを売るのは難しい、と。

さて、話は戻って、ライブで売っているグッズに素晴らしい機能性があるかといえば、どうでしょう。
そこにある価値イメージ、つまりブランド性という魅力は、ライブのグッズに限った話ではありません。

■ 理性で買う?感情で買う?
俺はビールはスーパードライなんだ、という人。
たくさん種類の商品から、やっぱりこれ、といつものを買っていく人。
車はやっぱりホンダでしょ、という人。

彼らは少しばかりの価格や機能の差をあまり気にしません。
こういう価値イメージの高いブランドは、「価格競争」から一歩ぬけ出し、比較的安定した収益をあげているようです。

実は消費行動は、理性よりも、感情によって行われることが多いと言われているそうです。
食品を買う際、「健康・成分や原材料」よりも「おいしそう・簡単・楽」で決める。
家電を買う際、「機能」を全て把握・検討せずに「格好良い」が決め手になる。

もちろん状況によって、理性的・合理的に購入を決定することも多々あることでしょう。
しかし、人は視覚的・感覚的イメージをもとに消費行動をとることが意外に多いようです。
コラムイラスト2
もちろん機能やサービス、価格面で理性に訴えることは非常に重要です。
また、素晴らしい優位性をもっている商品は当然強い魅力を持ちます。

しかし機能面は、一時優れていてもすぐに真似をされ、時間とともに埋もれてしまいがちです。
機能やサービス面に頼ってばかりでイメージによる訴求をおろそかにすると、状況が安定せず、
見込めるはずの顧客を取り逃してしまうかもしれません。

「この商品、私に合ってる。」「このブランドがなんとなく好き。」そんな感情が価値イメージを生み、ブランドを育む。
機能が拮抗し情報の氾濫した現代では、場当たり的ではない、
人の心にしみこみ、根付く、そんなコミュニケーションが必要なのかもしれません。

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