– Adobe Illustrator –
線の長さに左右されない
キレイな手書き風ブラシのつくり方
Adobe Illustrator(アドビ イラストレーター)を使用した、 線の長さに左右されないキレイな手書き風ブラシのつくり方 についてご紹介します。イラストレーターを使用したデザインやイラスト制作にご活用ください!
効果の「ラフ」だと線がまちまちに
アドビイラストレーターで手書き風の線を表現する時、一番手軽なのは「ラフ」をかけることでしょうか(効果→パスの変形→ラフ)。
でもラフだと、線の長さによってラフ効果の度合いが変わってしまい、ガタガタしすぎたりほとんど効果が表れなかったり、バラバラになってしまいます…。
(通常の線に同じ数値で「ラフ」効果をかけた場合)
また線は、オブジェクト上は一本のラインでしかないために、そのラインが細かく曲がっているだけで、手書きの線としては単調な印象です。
(アウトラインプレビューでの見え方[command+Y])
そこでここでは、「パターンブラシ」を使って、もうちょっと質の高い「描き風の線」を表現する方法のご紹介です。仕上がりのイメージはこんな感じ。線の長さによってその表情がバラバラになったりしていません。
(完成イメージ)
使用しているイラストレーターのバージョンはCCですが、それ以下のバージョンでも(よほど古くなければ)大きな違いはないと思います。
まずは必要なオブジェクトを作成する
まずはパターンブラシの元となるもの、こんなやつをつくってください。その際に押さえておくべきポイントがいくつかあります。
■その前に、作業の際には…
「ポイントにスナップ」(表示→ポイントにスナップ)にチェックをつけておきましよう。
「ポイントにスナップ」にチェックをつけると、パスのアンカーポイントが近くに接した際に自動でくっつけてくれます。イラストレーターで作業する際は、基本的にチェックをつけておくと便利です。
さて、それでは作成時のポイントです。
■色はK100%で(CMYKの場合)
あとで線に色をつけたい場合、それ以外だと色が変わってしまいます。
■左右両端はオブジェクトを分ける
わかりやすく離すとこんな感じです。
■一部のオブジェクトの上下左右位置を合わせる
赤丸の箇所それぞれ上下位置を同じ(水平)に。
(アンカーポイントを選択して、オブジェクト→パス→平均→水平軸[command+optin+J])
赤丸の箇所それぞれ左右位置を同じ(垂直)に。
(アンカーポイントを選択して、オブジェクト→パス→平均→垂直軸[command+optin+J])
■塗りなし線なしの四角で囲む
次は、上の3つのパーツを、塗りなし線なしの四角で囲みます。
これをしないと、形状によっては線にズレができてしまいます。
ポイントは、パーツのつなぎ目の左右の端を、塗りなし線なしの四角の端としっかり合わせることです。
わかりやすく離すとこんな感じ。
しっかりと端を揃えてください。
①真ん中のガタガタのパーツを選択した状態で
②「変形パネル」でその横幅をコピー→同じ幅の四角をつくる
③ポイントにスナップを利用するか、「整列パネル」を利用して合わせる。
[参考]整列パネル
これで大体OKです。
ちなみにガタガタしているところは、効果の「ラフ」をかけるだけでもいいのですが、「鉛筆ツール」などで適当に書き直すと、よりそれっぽくなります。
できたパーツを個別に「スウォッチ」に追加
上でできた3つのパーツ(塗りなし線なしの四角を含む)を、それぞれ個別に「スウォッチ」(「ウィンドウ→スウォッチ」で表示)にドラッグして追加します。
いよいよパターンブラシを作成
ここまでの準備がきちんとできていればあとはもう少し!いよいよパターンブラシを作成します。
①まず「ブラシパネル」(「ウィンドウ→ブラシ」で表示)の右上のマークをクリック。
②「新規ブラシ」から、「パターンブラシ」を選択。
③画像の箇所にて作成したスウォッチを選択。彩色は「淡彩」(CS5以下では「色合いをつける」)を選択。OKで作成。
※「淡彩」を選択すると線に色が自由につけられます。
※角にもそれ用のパーツを設定しておくとより良いのですが、ここでは省きます。
するとこのようなブラシが作成できたかと思います。これで基本的には完成です!試しに「ブラシツール」を使用してブラシを使って描いてみましょう。
ブラシの線の太さに強弱をつけるには
完成したブラシですが、そのまま使用すると線の太さは一定です。記事の最初の画像のように太さに強弱をつけるには、「線」パネルの「プロファイル」から線の形状を選びましょう。
そうすると線の太さの強弱を様々に変化させることができます。
ちなみにこの線幅プロファイル、初期からある程度種類があると思いますが、自分でも自由な形で作成することができます。
[ 関連記事 ]
> 線幅ツールと線幅プロファイルで様々な形の線を描く方法
[参考]パターンブラシとアートブラシ
今回はパターンブラシを使ってブラシを作成しましたが、同じ新規ブラシ作成の過程で「アートブラシ」という設定でも、より簡単に似たようなブラシを作ることができます。
基本的にはパーツをまるっとブラシパネルにドラッグして作成するだけ。詳しくはこちらも後日別の記事にてご紹介します。
ただしアートブラシで作成したブラシでは、線の長さによってこれまた「ラフ」とは違った線の表情の違いが生まれてしまいます。
これは、アートブラシだと、作成したパーツが線の長さに合わせ単純に伸縮されてしまうためです。
今回のように、ある程度均等に手書き風のガタガタ感をつけるのなら、パターンブラシの方が適しているように思います。
逆に、例えば筆の質感を出す、と言った均一でないブラシの場合は、アートブラシで作成するのが良いでしょう。
(アートブラシを使用した筆のブラシ)
作成したいブラシの内容に合わせて、アートワークに活用してみてください!
[ 関連記事 ]
> 綱やチェーンなど、パターンブラシの作成方法
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