– Adobe Illustrator –
合成でのリアルな影の付け方
こんにちは、福岡のデザイン事務所ESS GRAPHICS(エスグラフィックス)の橋本です。今回は Adobe Illustratorでリアルな影をつける方法 をご紹介します。
イラストレーターでデザインをしている時、ちょっとした影をつける合成を、そのままイラレでささっとしてしまいたい時ってありますよね。でも、「いかにも合成した」安っぽい感じではなくて、できればリアルに仕上げたい。そんな時にこの方法を試してみてください。主に使用するツールは、「ブレンドツール」です。
使用しているイラストレーターのバージョンはCC2018。今回は背景と赤い本の素材を用意して、試してみます。
一番簡単な方法は「ドロップシャドウ」を
使うことだけど…
「ドロップシャドウ」は手っ取り早く影をつける便利な機能です。「効果」から「スタイライズ」、「ドロップシャドウ」を選択して、各項目で適当な数値の入力と選択をするだけ。
試しにやってみましょう。
この本は右上から光が当たっているので、左下にドロップシャドウで影をつけてみます。選択と数値は画像の通り。
するとこんな感じになりました。
紙などの平べったいものなどを合成する際は、このままでもそれなりに仕上がります。が、欲を言えばもう少しクオリティを上げたいところです。
「ブレンドツール」を使ってリアルに合成する
それではやってみましょう。
先ほどのドロップシャドウ、ケースバイケースなのですが、今回は色を少し薄くして残しておきました。
[ 1 ]
影をつける大まかな範囲に、「ペンツール」でCMYK全て0%の、白いオブジェクトを描きます。
[ 2 ]
それをコピーして、色を適当な影の色に変更。白矢印の「ダイレクト選択ツール」で本の形に合わせて形状を調節します。ここでの形状は、後からでも変更できるので大体でOKです。
ですが一つだけ注意点が。パスのポイントの数は増やしたり減らしたりしないことです。ですので、「鉛筆ツール」などで調節はしないようにしましょう。それを変えてしまうと、きれいな影にならない可能性があります。
[ 3 ]
ここで使用するのが「ブレンドツール」です。
まずはブレンドツールをダブルクリックし、「スムーズカラー」が選択されていることを確認してください。
次に、ブランドツールを選択した状態で、先ほどの白とグレーのオブジェクトをぞれぞれ1回ずつクリックしてみましょう。
するとこのように、オブジェクトが滑らかにブレンドされました。
[ 4 ]
あとはこれを本の背面に移動させて、「透明ウィンドウ」にて「通常」となっている項目を「乗算」に変えれば完成です。(透明ウィンドウが表示されていない場合は、「ウィンドウ」→「透明」で表示)
色味や影の形も後から調節可能
影の形を調節したい時はダイレクト選択ツールで変形すればいいし、色味や濃度もグレーのオブジェクトの色を変えれば簡単に調節できます。また、イラレのデータなので移動や編集が簡単なのも良いところです。
リアルに合成するには、影の白とグレーのオブジェクト同士の距離感や形、モチーフ(今回は本)との位置関係、背景に応じた色の選択などが重要です。パスは自由に変形できますので、合成するモチーフに応じてグニャグニャ形や距離感を変えつつ応用してみてください。
参考までに、二冊重ねたものも。この場合は、上で作成した影のオブジェクトを二つ重ねているだけですがそれなりに自然にまとまっています。
ポスターやチラシなどの広告、ロゴ、パンフレット、パッケージなどのグラフィックデザインやイラストレーション
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